研修会B
日程:8月27日(水) 13:10 ~ 14:25
講師:山本 勝則 氏
所属:札幌保健医療大学
題目:精神看護学とは何か:応用心理学との関係
司会:松本 友一郎 氏(京都女子大学)
心理学および応用心理学はこころ(心と行動)全般を扱う学問です。一方,精神看護学はこころの健康に関することを扱う学問です。
心理学は大きく基礎心理学と応用心理学に分けられ,応用心理学は具体的な状況・環境に人間心理のメカニズムを当てはめて考えるという意味で実践を志向する科学です。一方,看護学は実践の科学(アートでありサイエンスであると表現することもある)です。その一分野である精神看護学も実践の科学です。つまり,応用心理学と精神看護学とは,こころを扱うことと実践を志向するという意味で共通しています。
応用心理学を専門とする人にとって,「応用心理学」に関する上記の説明はほぼ自明のことだと思います。同様に精神看護学を専門とする人にとっては,上記の「精神看護学」に関する説明はほぼ自明のことでしょう。ところが,お互いの学問分野については,共通性があるにも関わらずほとんど理解していません。そこで今回は,応用心理学を専門とする先生方に「精神看護学」とは何かということを紹介したいと思います。
現在の精神看護学は,精神症状に対処する症状マネジメント,信頼関係に基づく人間関係論,生活上の問題を解決する問題解決型看護過程,健康な面や強みを生かすストレングスモデルとリカバリーから成り立っています。